結婚相談所のリアル —— お見合いを成功へと導いた『演出』とは?
2020.03.11
あまり知られることのない結婚相談所の内情。
実は、日々さまざまな男女が出入りしているだけでなく、そこから生まれるドラマも十人十色なのです。
そこで本連載では、「マリッジクラブ ウィッシュ」の婚活カウンセラーが実際に出会った、男女のリアルな恋愛エピソードを描いていきます。
お見合いは連敗続き。諦めかけたその時・・・
「なんで上手くいかないんだろう・・・」
大手生命保険会社に勤務する伸一さん(39歳・仮名)は、悩んでいました。
39歳になったと同時に「マリッジクラブ ウィッシュ」へ入会した伸一さん。
間もなく活動開始から6ヶ月が過ぎようとしていましたが、何人もの女性とお見合いを重ねても、なかなか真剣交際に進めずにいました。
担当カウンセラーさんから告げられる、お相手からのお断りの理由は
「写真では優しそうな印象だったのに、お会いするとちょっと違って・・・」
とのこと。
そんなに俺って写真とイメージが違うの?!
それとも恐そうなの?!
言われたことを意識すると、最近は女性と2人きりになると、とても緊張してしまう・・・。
失敗が続いていることから、お見合いに対して積極的になれない日々が続いていたころ、伸一さんに再びお見合いの申し込みが。
婚活カウンセラーから、ちょっと戸惑うある提案
お相手は外資系コンサルティング会社に勤務する志穂さん(37歳・仮名)。
アラフォーといわれるこの年齢まで着実にキャリアを積んできた、いわゆるバリキャリ女子。
華やかな容姿からもモテそうな印象ですが、仕事に没頭しすぎて結婚のタイミングを逃してしまい、先月「マリッジクラブ ウィッシュ」に入会したとか。
素敵な女性からお見合いの申し込みを受け、うれしく思いつつも本気で喜べない伸一さん。
せっかく彼女と出会っても、また交際には進めないかもしれない、、、
そんな彼の表情を理解したのか、担当カウンセラーはある提案をしてきました。
担当カウンセラーと一緒に志保さんのプロフィールをじっくり読んでみると、趣味の欄に「花」という文字が目に入りました。
「志穂さんの趣味はフラワーアレンジメントなのよ。それでお部屋を花で飾っているみたいなの。伸一さん、お見合いの最後に志保さんにお花をプレゼントしたらどうかしら?」
「ええっ?初対面から花束なんて、大袈裟すぎませんか?」
「もちろん! 花束じゃなくて、お花。例えば、一輪のバラなんてどうかしら?」
「バラ一輪でも十分、カッコつけすぎだと思いますけど・・・。」
カウンセラーからの提案に戸惑う伸一さんでしたが
「まあ、これまでお見合いもなかなかうまくいかなかったし、せっかくのカウンセラーさんのアドバイスだから、今回はちょっと試してみようかな」
と、「一輪のバラ」計画を実行することに決めました。
いよいよ当日! バラに想いを込めて・・・
お見合いの当日、少し早めに待ち合わせ場所であるホテルに到着した伸一さんは、ホテルのクロークに一輪のバラを預けました。
やがてお見合いの席には、センスの良いワンピースを着こなす、華やかな志穂さんの姿が。
いつも以上に緊張していた伸一でしたが、志穂さんは話し上手で聞き上手。明るくよく笑うので、伸一さんの緊張も徐々にほぐれていきました。
お互いの仕事や趣味の話で盛り上がり、あっという間にお見合いは終了時刻に。
「あ、志穂さん。今日は本当にありがとうございました。これ、ほんの気持ちです・・・
志保さん、フラワーアレンジメントが趣味で、お部屋を花で飾ることが多いって、カウンセラーさんから聞いたので、もし邪魔にならなければ飾ってください」
別れ際、そう言ってクロークに預けておいた一輪のバラを差し出した伸一さん。
そこには思いがけないサプライズを受け、嬉しそうに微笑む志穂さんの姿がありました。
「花束」よりも「一輪」だった!
数日後、カウンセラーから嬉しい報告が! 志穂さんから、伸一さんとの交際を進めたいという連絡が入ったというのです。
これは後日、志穂さんがカウンセラーに伝えてくれたことですが・・・。
「一輪のバラに、伸一さんのやさしさが込められていたように思いました。
私のプロフィールをじっくり読んでくれたことも嬉しかったし、喜ばせようといろいろ考えてくれたことが本当にうれしかった。
それに、花束ではなくて1輪だったことも、いろいろ気を遣ってくれたんだなと思いました」
婚活カウンセラーからのアドバイスを受け、恥ずかしながらもちょっとした演出をしたことで、見事にお見合いを成功させた伸一さん。
数多くのお見合いを重ねることも大事ですが、何より大切なのは目の前にいる相手に、どうやったら喜んでもらえるだろうかとイメージを膨らませることですね。
一生懸命考えたあなたの気持ちは、必ず相手に届きますよ。
-おわり-
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「伸一さん、次こそお見合いを成功させましょう!」