『本当のところ、結婚ってどう?』既婚者インタビュー~IT企業勤務Hさん(37歳・男)の場合
2018.06.21
100組の夫婦がいれば、100通りの結婚生活がある。
順風満帆バラ色の生活を送るカップルがいれば、別れを決断した夫婦もいる。
この記事は、結婚生活のリアルな実態をケースごとに紹介し、「結婚とは何か」を考える連載企画だ。
匿名、顔出ししないという条件で「結婚っていいものなの?」「相手を嫌になったりしない?」「結婚前とどう変わった?」など、既婚者の本音を聞いた実録記事である。
【CASE1】
11歳年下女性と結婚した30代後半エリート男性
- Hさん(37歳・男性)
- ・IT企業勤務
- ・結婚歴4年
- ・妻(26歳)、息子(4歳)、娘(1歳)
~大人にならなければいけない瞬間は突然やってきた~
今回の主人公、IT企業の営業としてバリバリ働く現在37歳男性のHさんは、11歳年下の妻と2人の子どもと暮らす4人家族。
「平凡ですが、幸せです」というHさんは、4年前奥さんが妊娠したことにより結婚を決めたが、そこには夢との葛藤があったという。
第1回目は、いわゆるデキ婚、授かり婚をした男性目線から「結婚の本音」を探っていこう。
〜妊娠発覚から結婚までの葛藤とは?〜
「まぁ仕事自体は特になんともなかったんですが、実はそのころ海外のホテルで働くための専門学校に通うことが決まっている時期で。海外で働く夢を追いかけることに彼女を散々説得した後だったので、どうするべきか悩みました」
「30歳を過ぎて海外勤務を目指すなんて、かなりの決断ですね」
「かなりケンカになっちゃったんですけど、待ってるから行って来なよって彼女が言ってくれたんです。妊娠が発覚したときも、彼女の方から私は大丈夫だからって言ってくれて」
「でも、逆にそこまでして応援してくれる子なんだから間違いない、夢なんか捨てて一生守ろうって決めたんですけどね」
妊娠をしていても「夢を追いかけて」と言ってくれる彼女。普通なら考えられない話だ。その強さを持つ奥さんを一人にはしないと夢をきっぱり諦めたのは「当然」と思う人が多いだろうが、やはり夢を諦めることは簡単ではない様子だった。
〜結婚生活はどのようなもの?〜
「子どもが生まれる前もあともやることが多すぎて、かなり大変でした。でも今では落ち着いていて、幸せな生活が送れています」
「奥さんとの関係性に変化はありますか?」
「180度変わりましたね(笑)。一回りくらい僕が年上なので、付き合っている当時は僕がリードしていました。でも今は主導権を彼女が持っています。財布も休日の過ごし方も子どもの教育方針まで妻の言う通りになっていますね(笑)」
〜結婚のメリット、デメリットは?〜
「僕の場合すぐに子どもが生まれたので、結婚生活は子ども中心です。だからかもしれませんが、子どもの成長を見れることが一番のメリットですかね。海外勤務の夢も、子育てが楽しすぎて今やどうでもよくなっちゃったくらい(笑)」
「教育方針も奥さんの言う通りとおっしゃってましたが、意見の食い違いなどはないのですか?」
「僕は何でも子どもに挑戦させて、失敗から学べばいいと思っているんです。でも妻は過保護というかマニュアル通りというか、安全安心を優先させるので最初は考え方の違いがありました」
「でも、僕が引き下がりました。女性は自分の体から子どもを産む特権があって、子育てのことに関しては母親が正しいと思ったんです。僕の考える教育方針が必要なのは、もう少し子どもが大きくなってからの話なんだろうなと」
「なるほど。お子さんと奥さんどちらも大切になさっているのが伝わります。ではデメリットをあえて挙げるとするなら?」
「とにかくお金を自由に使えないことですね。こればっかりはどうにもならない(笑)。仕事柄飲み歩くことが多かったのですが、ピタっとなくなりましたね」
話を聞いて「尻に敷かれる」とはこういうことかと思った。だがHさんにとってそれはマイナス要因ではなく、大切な家族が幸せならそれでいいと思い、むしろ心地よいことなのだと話してくれた。
〜結婚してよかった?〜
「もちろんです!結婚して自分の夢を諦める形にはなりましたけど、妻と子どもとの生活が楽しくて、仕事もさらに頑張れるようになりました。あのとき海外に行っていたら、結婚生活の楽しさをここまで知ることはなかったと思います」
「もちろん結婚前に子どもができるのは、お互いの両親に心配をかけてしまうし大変なことが多いです、が結果的に結婚できてうまくいっているのでよかったと思っています」
■Hさんにとっての結婚とは?
最後に、Hさんの結婚生活を振り返ってもらい、うまくいく秘訣を聞いた。
「結婚には譲り合いの精神が絶対に必要だと感じますね。特に家庭のことに関して男性は主導権を持とうとしてはいけません。常に相手を思い、尊重することが結婚生活を楽しく過ごす秘訣ですかね」
「我慢が必要ということですか?」
「僕自身は我慢と捉えていません。人には得手不得手があって、得意なことをお互いが主導して、不得意なことをカバーしあう。そう言った意識があるから我慢ではなく“役割”と考えることができているのかもしれません」
血が繋がっていない相手と生活を共にする結婚には、譲り合いが必要だと考えるHさん。それを我慢と捉えるか、役割と捉えるかが結婚生活を有意義に過ごせるかどうかの境界だと話してくれた。
Hさんの言う「幸せな生活」を手に入れるためには、考え方、捉え方を前向きにすることが必要なのかもしれない。
-おわり-
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「彼女が取引先の担当者、業務を通じて出会った形なんですが、付き合って半年ほどで妊娠したんです。突然父になることもそうですが、取引先の担当者ってことで仕事にも影響あるかなとかちょっと心配でした」