結婚相談所の『成婚率』の真実と、あなたの成婚率は?
2018.11.22
結婚相談所などの比較検討をしているとよく目にする「成婚率」という言葉。
これは文字通り「結婚に到達できる確率」について統計を取ったもので、どこで婚活をするのか、ということについて一番参考にされているはずの数値です。
しかし一言で成婚率といってもその計算方法はかなりのばらつきがあるといえます。
今回はその「成婚率」という数字について、読み方とそれに対する取り組みについて書いていきたいと思います。
よく知られていない「成婚率」の計算方法と目安を知ろう
大手の結婚相談所のうたっている『成婚率』とは、どのくらいなのか?
万の単位で会員数を持つ大規模な結婚相談所の中には、成婚退会者の人数やいわゆる「成婚率」について公開していない会社もあります。
しかし公開している相談所の数字を総合すると、低いところでは10%台前半~高いところで20%台後半というところが多いようです。
比較的会員数の多いマッチング重視の相談所ではこの辺りが一般的な数字で、後は個々の相談所の実力(どこまで真剣に、時間をかけて会員さん一人一人をサポートしていくのか)によって分かれてくる、ということではないでしょうか。
この業界の場合は大手にもかかわらず会員数、成婚数・成婚率など、検討している人が比較する上で知りたい情報を公開していない企業がまだまだ多いなと感じてはいます。この点が結婚相談所の業界に不透明なイメージを植え付けている部分もあるのかもしれないので、もう少し透明になるといいですね。
また、大手を比較して感じたこととして「成婚率」に関しては、成婚の定義(成婚退会を成婚とみなすか、それとも婚約か、実際の結婚かなど)や計算方法(何を分母とするのか)が各社で異なりますので、一概に横並びにすることは難しいと感じているので、あくまで上記の数字は目安と思ってもらえるといいです。
落とし穴に注意!こんな計算方法で成婚率を出している相談所もあります。
また「成婚率」について調べていくと、中堅の結婚相談所などではとびぬけて高い成婚率の数字を出している所もたまに見受けられます。中には50%を超える数字や、90%近い数字をうたっている相談所もあり、これについてはうのみにしない方がいいと思います。
こうした相談所については、3つの可能性を考慮して数字を見た方がいいと思っています。
1.本当に面倒見が良く、会員フォローが充実している。
数字がうのみにできないとは言ってもカウンセラーの実力や取り組みがとびぬけていれば、成婚率をある程度は上げられます。また元から募集する会員さんの条件を「好条件の人」に絞る等すれば、需要と供給の関係で成婚率が高めになることもままあります。
いずれにしても80-90%などという数字は叩き出せないのですが、「成婚率を高める仕組みや裏付け」がある場合、プラスに考えてもいいと思います。
2.高い成婚率がでた昔の数字を使い続けている
よくあるのはいわゆる「過去の最大風速」としての数字を掲載している、ということです。
ある時期だけ成婚が集中し、割り算の結果での「成婚率」としての数字が一時的に上がるというのはままあることです。
相談所としてはできるだけ良い数字を見せてアピールをしたいわけなので「直近の成婚率」ではなく「過去一番良かったときの成婚率」を使用し続けている企業にも見られます。
3.企業によって独自の算出方法を用いている。
結婚相談所の成婚率の正しい出し方というのは、実は定義されておりません。そのため、各企業はそれぞれ独自の算出方法を用いて計算をしているところもあります。
・在籍数に対して、成婚率を出す方法(成婚率=成婚退会者/直近の会員者数)
・総退会者数に対して、成婚者の割合がどの程度あるか(成婚率=成婚者数/総退会者数)
この上記の方法は企業の考え方によって選択することは十分考えられます。
ただ、実際にはプライベートでの出会いも、成婚者数に含めていたりするケースもありますので、そのあたりは注意が必要です。
大切なのは、「どの時期の、どのような数字を使って成婚率を計算しているのか」を企業が明確にしているか否か。これをしっかりと公表しているかどうかを必ず見るようにしましょう!
結婚相談所を使わない場合の成婚率はどのくらいなのか。
また、別の見方になりますが、「結婚相談所を使う場合」と「自然に出会って結婚する場合」の成婚率の違いも比べることが重要です。
〇単純に、特に活動をしない場合の「自然成婚率」はかなり低い。
この話は20代から30代前半の「いわゆる適齢期」の男女にとっては当てはまりません。
しかし例えば35-45歳の女性が「10年後に結婚できている確率」というのは、統計によれば1-3%前後(!)と言われています。これは「婚活をした人、しない人の全平均」になるので、していない場合は低めに見ざるを得ません。
また国勢調査の分析などからでも、35歳を過ぎるといわゆる「自然成婚率」は10%を切り、年とともに急降下してしまうのがはっきりしています。
〇結婚相談所「以外」での婚活の成婚率は?
それでは「まったく婚活をしない」というわけではなく、他の機関(いわゆる「街コン」やほかの「ネット婚活」)の場合はどうなのでしょうか?
実のところ、街コンやネット婚活については「入り口としての出会いを提供する」のが目的ということもあり、成婚まで責任持ってサポートしている機関というのはほとんどありません。
その関係上「成婚率」を公表している「街コンやネット婚活機関」というのはありませんし、そもそも数字の把握自体が難しいのです。
結婚相談所によって成婚率に違いがあるのはなぜ?
成婚率の高い結婚相談所の特色とは
結婚相談所はその他の婚活サービスに比べて、「結婚」が目的になっているので、結果的に成婚率の「婚活ツール」であるといえます。
しかしその結婚相談所の成婚率、同じ結婚相談所サービスの中でなぜ違いがでてくるのでしょうか。
色々な結婚相談所を見て、またそこで働いていた人の話を聞いていくと、「成婚率の高い相談所」にはいくつかの特色があることがわかってきます。
1つめは、「仲人型の結婚相談所であるかどうか」ということです。
ほとんどの結婚相談所には「仲人」「カウンセラー」「コンサルタント」といった名称で、活動をサポートしてくれるスタッフが在籍しています。そのサポート力によって成婚率が大きく左右してくるのです。
それはなぜでしょうか。
まず、「婚活」は非常に孤独な活動で、肉体的にも精神的にも疲弊しやすい活動です。何度お見合いを重ねても、うまくいかないことがあります。「婚活疲れ」という言葉もよく聞くように、新しい人と出会い続けるというのは、緊張もするのでとても疲れやすいのです。
その婚活を肉体的にも精神的にもサポートしてくれるのがカウンセラー、コンサルタントです。そして、そのサポートの仕方は企業の考え方やスタッフの教育体制などが大きく関わっています。
コンサルタントが、担当会員ひとりひとりの活動にしっかりと目を向けられているか、レスポンスは早いか、直接会って丁寧に相談にのっているかどうかなど、、
サポートひとつとっても、企業によって姿勢が全く異なりますので、そのあたりは実際に店舗を訪ねてみて、話を聞いてみることをオススメします。
さらにコンサルタントの力が強い相談所の場合は相手に申し込みをする場合、「プロフィールにはない強みや魅力、そして相手への想い」を、相手相談所に伝えた上での申し込みが可能です。
これがまずお見合いを組むうえで、大きく成功率を左右しているのです。
またお見合いの後の交際においても、デートのことを相談したり、時にはプロポーズの事を相談したりと、二人が行き違ってしまうようなことを積極的にサポートすることで、解消し、婚約に向けて具体的に話を進めることができるのです。
こうした「間に人が入る」ことによる取り組みが成婚率を大きく押し上げていきます。
2つ目のポイントは、「カウンセラーごとの担当人数がある程度抑えられているかどうか」です。
経験から言うと結婚相談所での成婚率の高い、低いは上記のとおりひとえに「カウンセラーさんの働き、関わり具合」に大きく左右されます。
そこで一人一人のカウンセラーさんの腕(というか熱意や関わり具合、そしてカリスマ性など)は大きい影響を持つのですが、同時に「しっかりと担当する会員さんに手が行き届くかどうか」ということは大切です。
これは、サポートに力を入れている結婚相談所かどうかを見極め、担当している会員さんの数が「しっかり手が行き届く数に抑えられている」かどうかを確認してみましょう。そういった結婚相談所は、結果として良い成婚率が出せているはずです。
成婚率の低い「残念な」結婚相談所の特色とは
会社の規模や方針などにより、一人のカウンセラーさんで多くの会員さんのサポートをしなければならないケースもあり、中には一人のカウンセラーで200-300人程度の会員さんをサポートしていく場合も見受けられます。
これは経営や運営の問題なので善し悪しは言えないのですが、やはり担当人数があまりにも多い大組織(というよりも効率最優先の相談所)になってしまうと、成婚率が低迷しやすいと言えるでしょう。
またもう一つ、成婚率の低い「残念な相談所」になりうるポイントとは、カウンセラーさんや相談所の「方針」そのものにあります。
一部の人気な「需要があって結婚させやすい人だけにフォーカスしてしまっていないか」ということです。
これは学習塾などでも同じことが言えると思うのですが、合格実績を作るために一部の生徒に熱心に指導して、あとの生徒はいわゆる「お客さん」…となってしまう場合もあります。
結婚相談所の目線から見ると「それほど苦労しなくてもすんなり結婚できる」(カウンセラーや相談所としても比較的楽ができる)会員さんの方ばかり向いていて、「本当に真剣にサポートしたり、あるいはアドバイスして意識改革をしてもらわないと年齢的その他の理由で成婚は難しい」という大多数の会員さんについて、ある程度のところまでしか割り切って関わらない…というカウンセラーさんや相談所も、残念ながらあると思います。
その場合当然成婚率は大きく下がります。
担当人数と違ってこればかりは「相談所の方針」であり「カウンセラーさんの想い、真剣さ」も関わるので、婚活する側としてはしっかりと見極めていく必要があると思います。
正しい『成婚率』の数字の読み方と取り組み
「成婚率が低い」と感じるのはなぜなのか
結婚相談所の「成婚率」という数字を見てどう思いましたか?
「思っていたのよりは少し低いな」という印象を持たれた方も多いのではないでしょうか。
「自分としては当然、いつかは結婚するつもり」「その気になれば結婚できるはず(と、今までは思ってきた)」と普段思っている人ほど、「いつかはする」「当然する」という自分の中での既存の捉え方と、この数字がかけ離れているように見えるのかもしれません。
しかし失礼な話ですが、「まだ行ける、まだ行ける」と本腰を入れず婚活を先延ばしにして、ある程度の年齢に達してしまっている人の場合は「こんなはずはない」ではなく「こんなものだ」と捉えて、危機感を持って活動を開始するきっかけにした方がいいかもしれません。
特に年齢が高くなるほど「自然成婚率」は下がっていきますので、それを少なくとも数倍に高めていける結婚相談所のパワーは、やはり高いと思います。
「成婚率」はあなたの成婚率ではない
最終的には、「あなたの成婚率はあなたで決まります」という一言にたどり着きます。
これはもちろんご自身の年齢やスペックなど、自身のプロフィール、そして相手に誰を選びたいのかによって左右されますよ、という意味でもあります。そして、あなた自身の究極の成婚率は「100%」か「0%」なのです。
どちらも極論なのですがその0%と100%の間で、「どこまで真剣に活動して一人一人を見るのか」「どの条件まで妥協するのか」といったことで、水道の蛇口をひねるように自分の成婚率というのはコントロールできる(プラスの意味で)ものだと理解しておきましょう。
相談所が表面上うたっている数字というのはあくまでも「比較するための一つの目安だ」ととらえ、「自分の成婚率は、自分自身の取り組みで決めるのだ」という捉え方、気概を持つことが、結婚相談所を利用するうえで一番大切なマインドセットだと思います。
結婚相談所の活動で、あなたの成婚率を高める方法とは
結婚相談所に入会してからの活動については、今後別の記事でお話ししていく予定なので今回は簡単になのですが、「成婚率を高めるための取り組みや活動」について、3つお話していきます。
1.カウンセラーさんと信頼関係を作り、アドバイスをできる限り聞き入れる
「成婚率」を大きく左右するのは、前述のとおりカウンセラーさんです。もちろん良い相談所であれば「お客なのだから」という理由だけでも、カウンセラーさんの活動も積極的です。
しかしそのカウンセラーさんも人間です。「この人にはいい人と結婚して欲しい」という思いの深さも、一人一人違うものだと思います。もしカウンセラーさんと信頼関係を結んで「わが子のように感情移入し、売り込んでくれる」というのであれば、これほど心強いことはありません。
良いカウンセラーさんを選ぶことも大切なのですが、そのカウンセラーさんに自分の想いをしっかり伝え、信頼関係を結ぶようにしましょう。逆に「お客なんだから真剣に見てくれるよね」的なスタンスというのは(ビジネスとしては正しいのですが)、それほど望ましくありません。
またそのこととも絡むのですが、プロフィールを作成していくに当たっては可能な限り、カウンセラーさんの意見、アドバイスに耳を傾けるのがいいと思います。そうしたこと一つ一つであなた自身とカウンセラーさんとの信頼関係は深まっていき、それがプラスにつながります。
2.「選ぶ側」だけではなく、同時に「選ばれる側」でもあるという考えを持つ
需要と供給の原理(一種の市場原理です)が作用する婚活の現場では、選ぶだけでは相手は見つかりません。相手に選ばれてこそ初めてお見合いができ、交際ができ、はれて成婚退会ができるのです。
「どういう人なら、自分を(まずはお見合いの相手として)選んでくれるのか」
「選ばれるために、自分が変えていくべきポイントは何か」
「自分を選んでくれる人の中で、どこまでなら妥協していいのか」
こうした「選ばれる側」としての意識を持ち、それぞれをカウンセラーさんと相談して真剣に考える会員さんは、多くはうまくいきます。現実と理想との接点を、自分を変えることも含めて真剣に手探りし続けるからです。
3.ともかく早く婚活を始める!
年齢と結婚は切っても切れない関係にあります。しかし、過去に戻ることはできません。私たちは、1度資料請求をしたり、来店して入会案内をしたりしても、残念ながら行動しなかった方々をたくさん見てきました。その中で、絶対的に言えるアドバイスは「あなたは今日が一番若い」と言うことです。
「若ければ若いほど良い」という意味ではなく、過去に遡ることができない中での最善の選択は「これから先の人生のなかで一番若い今だからこそ、婚活をするべきだ」ということです。
「残りの人生の中で、今日が一番若い」ので、一番条件の良いときに「その気」になるのが一番だと思います。
いかがでしたか? どうしても「サービスを利用して自分の人生を進めていく」という側面があるので表に出た数字を読み、飲み込み、自分なりに解釈し取りこんで、行動を起こすためにもどろどろした部分も書いたつもりです。
「自分の成婚率は、自分が作る」という気概を、一人でも多くの方が持ってくれることを願っています。
—おわり—
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