本当に美味しいフレンチプレス式コーヒーの淹れ方をプロに教わった
2018.12.15
みなさんは、自宅でフレンチプレス式のコーヒーを淹れて飲んでいますか?簡単なようで難しいフレンチプレス。
今回は、コーヒーセミナーに参加して、コーヒー豆の勉強をしつつ、誰でも簡単に美味しいコーヒーがいれられる、フレンチプレスの使い方をコーヒーのプロフェッショナルに教えていただきました!
これであなたも、「あなたのいれるコーヒー、とても美味しいね♪」と褒められること間違いなしっ!!
コーヒーは知れば知るほど、その奥深さに魅了されます。そして、誰もが、自分で美味しいコーヒーを淹れてみたいと思うのではないでしょうか。そんな想いに応えてくれるセミナーに参加しました。原宿キャットストリートにある「THE ROASYERY(ザ・ロースタリー)」で行われたセミナーの様子をお伝えします。後半には、素人でも簡単に美味しいコーヒーがいれられる、フレンチプレスの正しい使い方も伝授!
- THE ROASYERY NOZY COFFEE
- NOZY COFFEE(代表取締役・能城政隆〈のうじょう・まさたか〉さん)がTYSONS & COMPANYと共同運営するコーヒー専門店。コーヒー本来の味を楽しんでほしいという想いから、コーヒー豆の生産地域・生産処理方法が明確で一切ブレンドされていない「シングルオリジンコーヒー」を提供している。
コーヒーの違いのわかる人になれる!?
「ディスカバリーセミナー」と名付けられたセミナーに、自称コーヒー好き(笑)の4名が参加しました。さあ、どんな発見があるのでしょうか。
今回は前回まで学んだ実践も含めて学んでいきます。
さぁ、美味しいコーヒーとの出会いも期待しながら、いよいよセミナーが始まりました。
「THE ROASYERY」で焙煎、セミナーを担当する菊池(きくち)さんと近井(ちかい)さんが、コーヒーの奥深い世界へ誘ってくれます。
まずは「スペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーの違い」について。
スペシャルティコーヒーについてはvol.2でお話していますが、いくつもの基準をクリアし、美味しいコーヒーと認められたもので、日本では流通量の7〜8%だそうです。
それ以外の一般市場に出回っているコーヒーをコマーシャルコーヒーと言います。両者を、そのどちらであるかを伏せて比較してみようという試みです。プロフェッショナルのお二人が、丁寧にフレンチプレスでコーヒーをいれてくれます。
じっくりその淹れ方を見学。
両者を比べるのには、カッピングといわれる手法をとります。これは実際に、豆を買い付ける段階で生産地で行われたり、焙煎し終わった後も品質チェックをする際にも行われたりしている手法です。
まず、コーヒー豆をドライ(お湯を入れないそのまま)の状態で香りを嗅ぎます。
続いて、専用のボールにその豆を入れてお湯を注ぎ4分待って、4回かき混ぜて表面に浮いたアクをとります。
その後、表面のコーヒーをスプーンですくい、すすって味や香りをみていくのです。参加者は、何度かこれを繰り返し、2つの味を確認していきました。
はじめは、緊張と、間違えたら恥ずかしいという思いから、コーヒーの味がよく分かりませんでした。。。
でも何度か2つのコーヒーを飲み比べているうちに、両者の味や香りに明確な違いがわかるようになってきたのです。
実際に伺ってみると、コーヒーは熱いうちは味や香りが分かりづらいが、冷めてくるうちに味や香りなどの特徴がはっきりと分かりやすくなってくるそうです。
人それぞれに感じ方や表現の仕方は違いましたが、スペシャルティコーヒーには、上品な酸味や花のような香り、後味の良さを感じとることができ、参加者全員が判別に正解! 逆に、コマーシャルコーヒーには、際立ったフレーバーを見つけることができませんでした。
ちなみに、カッピングしたのはコスタリカのゲイシャ種のコーヒーで、2017年の国際品評会で3位に入賞したもので、1杯1800円で提供しているそう。「間違えないで良かった!」と参加者から安堵の声が聞こえました。
生産者の苦労や背景となる生活について、知ることができました。
輸入過程での生産者との絆も。さらに、国内に入ってからは、焙煎し、抽出するための技術や経験も必要とされます。
一つひとつのコーヒーにストーリーがあることに、心惹かれました。
フレンチプレスで美味しくコーヒーを入れる!
次のテーマは、「抽出方法の違いによる味や香りの違い」です。
「コスタリカ サラカ」「ブラジル カショエラ」という個性が異なるシングルオリジンを、フレンチプレスとエスプレッソで、また、アメリカーノ(エスプレッソをお湯でのばしたもの)やカフェラテで味わいました。
そのなかで、フレンチプレス式コーヒーのいれかた(特徴と抽出の方法)を教えていただいたので紹介します。
コーヒーに含まれる油分には、コーヒーの旨味や甘み、豆の品質によっては雑味やえぐみなどさまざまなものが入っていますが、フレンチプレスに使われている金属フィルターは、その油分をしっかり通します。逆に、家庭でよく使われるペーパーフィルターだと油分が吸着されるので、その部分がカップに入りません。
「フレンチプレスは、もとのコーヒーの品質が良ければ美味しく淹れられますが、品質が悪ければ、そのまま不味さが出てしまうということ。それなら、ペーパーフィルターの方が、油分をこしてくれる分だけ飲みやすくなります。ただ、重要なのはやはりコーヒー豆そのものの品質であって、フレンチプレスかペーパーフィルターかでその品質を上回るような違いがでるわけではありません。」と菊池さんは説明してくれました。
つまり、フレンチプレスは紙などのフィルターを通さないので、良くも悪くも豆本来の味が分かりやすいと言うことですね。コーヒーが本来持ち合わせている油分や雑味も味わうための道具になります。
やはり、コーヒー豆も生鮮品。どのようにいれるかも大切ですが、本当に味に直結するのはどんな土地で、どのように栽培され、どのように焙煎されたかというコーヒー豆そのものの品質なんですね。
続いて、フレンチプレスによる抽出の方法を。
1. 中粗挽きのコーヒー豆を入れる(1人前(0.35リットル)なら18グラム)
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2. タイマーを4分にセットし、コーヒーの粉の乾いているところがないように、全体にお湯(90℃以上)を注ぐ。ここでしっかりガスを抜くために30秒から1分置く。ガスが抜けにくい時は、軽くトントンとたたく
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3. プレスのふちに沿うように、優しくお湯を注ぐ
※「説明書には、お湯を入れた後、かき混ぜてくださいと書いてあるものもありますが、これをやるとガスは抜けますが、過抽出になり渋みが出てしまうので、おすすめできません」とのこと
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4. プランジャーを上にはめる
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5. タイマーが鳴ったらプランジャーをゆっくり押し下げて、完成!
実際にやってみると意外に簡単で、きちんと量や時間を守れば、初心者でも上手くコーヒーが淹れられそうです。すぐに家で実践してみたくなりました。
コーヒーのキャラクターを惹き出す淹れ方
次は、家ではなかなか用意できないエスプレッソマシーンを使ったエスプレッソ。味や香りのインパクトが強く出る淹れ方です。飲み慣れないと少し苦手に感じる人も多いかもしれませんが、コーヒーのキャラクターをしっかり感じられる飲み方といえるようです。
エスプレッソは、フィルターに細かい粉を詰め圧力をかけて抽出するものですが、とても繊細で難しい方法だそうです。バリスタは、粉の量を0.1グラム単位で調整し、機器の微調整もその度ごとに行う必要があるとのこと。エスプレッソを自宅で淹れるのは現実的ではなく、信頼できるお店でいただくのがおすすめのようです。
コーヒーの個性に応じて、いくつもの淹れ方があることが分かりました。また、さまざまな場面で、参加者の好みが分かれるのも興味深いところでした。
近井さんも、「スペシャルティコーヒーには、『消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること』という考え方があり、好みの部分を大事にしているのも面白いところ」と語っていましたが、一人ひとりにとって、それぞれ美味しいコーヒーがあって良いのでしょう。
広く心を開いて、新たなコーヒーとの出会いを求めていきたくなりました。
今日も、お気に入りのコーヒーでひと息ついて、もっと素敵な時間を!
―END―
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