コーヒー香るひとときにvol.2 ~スペシャルティコーヒーとは?~
2018.06.10
慌ただしい毎日の中で、ほっと一息安らぎの時間をくれる「コーヒー」。
豊かな香りに包まれるくつろぎの中で読んでもらえたら、コーヒーへの想いがちょっと深まってくるお話をお届けします。
今回のテーマは「スペシャルティコーヒーとは?」。
最近、耳にすることが多くなった「サードウェーブコーヒー」。また、「スペシャルティコーヒー」、「シングルオリジンコーヒー」という言葉も聞きますね。きちんと意味を知って、もっとコーヒーを楽しみましょう。
前回に引き続き、NOZY COFFEE代表取締役・能城政隆(のうじょう・まさたか)さんに、教えていただきました。
- NOZY COFFEE
- 東京・三宿にお店を構えるコーヒー専門店。コーヒー本来の味を楽しんでほしいという想いから、コーヒー豆の生産地域・生産処理方法が明確で一切ブレンドされていない「シングルオリジンコーヒー」を提供している。
コーヒー文化の新しい潮流「サードウェーブ」
コーヒー文化の新しい潮流を示す「サードウェーブ」という言葉。
まずファーストウェーブは、19世紀後半から1960年代まで続いた、大量生産・大量消費の時代です。コーヒーは安価になり、一般大衆にもポピュラーな飲み物になりました。
セカンドウェーブは、スターバックスに代表されるようなシアトル系のコーヒーチェーンが人気を集め、エスプレッソをベースとしたラテやアレンジコーヒーなどが流行した時代。
続く「サードウェーブコーヒー」ですが、明確な定義があるわけではないようです。
「スペシャルティコーヒーなど、美味しいコーヒーを広めようという店が増えてきた中で、メディアがそれを第3の波と表現したのではないでしょうか」と能城さんは言います。
ただ、コーヒーの味にこだわり、品質や個性を重視するようになってきたことは確かで、2015(平成27)年にブルーボトルコーヒーが日本に上陸したころから、サードウェーブという言葉が頻繁に使われるようになったようです。
スペシャルティコーヒーとは?
コーヒーは、8項目の評価基準で点数化され、一定の点数以上のものがスペシャルティコーヒーとされます。
スペシャルティコーヒーという概念が生まれたのは、1980年代のアメリカ。その背景には、コーヒー大量消費の時代があります。大量生産を強いられたことで生産者の生活は厳しくなり、コーヒーのクオリティも低下しました。
「消費者は、まずいコーヒーを飲むなら紅茶やソフトドリンクの方が良いと考えるようになり、コーヒーの消費量が激減しました。その反省から、美味しいコーヒーを作ろうという動きが起こった。それがスペシャリティコーヒーの概念です」と能城さん。
シングルオリジンコーヒーとは?
美味しいコーヒーを目指す中で、ブレンドして味を作るという方法もあります。しかしスペシャルティコーヒーの基準においては、テロワールによる特性が重視され、ブレンドすることによって評価が低くなる部分が大きいようです。
「スペシャルティコーヒーの動きに連動するのがシングルオリジンコーヒー。シングルオリジンコーヒーとは、コーヒー豆の生産国、生産地域、生産処理方法が明確で、それらが一切ブレンドされていないコーヒー豆のことです」と能城さん。だからこそ、シングルオリジンがスペシャルティコーヒーと深く関わっているんですね。
ちなみに、「ブレンド」に対して「ストレート」という言葉があります。
その違いは「ブレンド」は2ヶ国以上の豆を混ぜたもの、「ストレート」は単一の国の豆を混ぜたもの。両者とも広い意味で言えばブレンドで、シングルオリジンとは全く別のものなのです。
シングルオリジン=美味しいコーヒー!?
シングルオリジンが、必ずしも美味しいコーヒーというわけではありません。逆にブレンドだとしても、美味しい豆をブレンドして作られたものはスペシャルティコーヒーになり得ます。また、生豆の状態でスペシャルティだったとしても、焙煎や抽出など1杯のコーヒーになるまでの過程で、質を落としてしまうこともあるのです。
美味しいコーヒーが生まれるまでには、何段階もの課題をクリアしていかなければならない。そう思うと、コーヒーが愛しくなってきますね。
最後に、スペシャルティコーヒーへの理解を深めたあなたへ、チョコレートケーキなどのスイーツと一緒に楽しんでいただきたい、1杯のコーヒーをご紹介!
明るいフレーバー、ベリーのような酸味を感じる深い味わいです。
コーヒーでひと息ついて心をほぐして、もっと素敵な一日に!
See you next time.
【取材協力】
■NOZY COFFEE
住所/東京都世田谷区下馬2-29-7
TEL/03-5787-8748
営業時間/11時~18時、休日:9時~18時
定休日/無休
アクセス/東急田園都市線「三軒茶屋」駅・「池尻大橋」駅から徒歩15分
-おわり-
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