コーヒー香るひとときにvol.1 ~コーヒーとブレンドの関係~
2018.06.07
慌ただしい毎日の中で、ほっと一息安らぎの時間をくれる「コーヒー」。
豊かな香りに包まれるくつろぎの中で読んでもらえたら、コーヒーへの想いがちょっと深まってくるお話をお届けします。
今回のテーマは「コーヒーとブレンドの関係」。
日本のコーヒーはブレンド文化!?
毎日のくつろぎのひと時に、コーヒーは欠かせない存在だという方も多いのではないでしょうか。
地域や年代によって、コーヒーの文化や楽しみ方には違いがあるんです。
そこで今回は「ブレンドコーヒー」にスポットをあて、NOZY COFFEE代表取締役・能城政隆(のうじょう・まさたか)さんに、教えていただきました。
- NOZY COFFEE
- 東京・三宿にお店を構えるコーヒー専門店。コーヒー本来の味を楽しんでほしいという想いから、コーヒー豆の生産地域・生産処理方法が明確で一切ブレンドされていない「シングルオリジンコーヒー」を提供している。
海外に目を向けてみると、たとえば、イタリアのコーヒーはブレンドの文化。
「イタリアでは、毎日、同じ味を出すことが大切で、今日は特別美味しいというのは求められていないんです」と能城さん。
イタリアンローストといわれる深煎りが一般的で、それを混ぜる(ブレンドする)ことで均一な味を作るのだといいます。
日本も、イタリアのブレンド文化を取り入れてきた側面が。
20年くらい前は「コーヒー」=「ブレンド」が当たり前で、「ブレンド」が「コーヒー」の代名詞だったような時代。おじさま方が喫茶店に行って「ブレンド(コーヒー)ちょうだい」とオーダーする。そんな昭和レトロっぽい光景は、ブレンド文化を象徴していたといえるのでしょう。
コーヒーのクオリティとブレンドの関係
ブレンドとはつまり、何種類かの豆を混ぜること。
たとえば、甘さが際立つもの、なめらかさに特徴があるもの、フレーバーが豊かなものを混ぜて、3要素を満足させるコーヒーを作ろうという足し算の考え方です。また、混ぜることによってその店のオリジナル、という価値ができるという意味もあります。
「『特別にブレンドしました』『厳選ブレンドです』と言うとそれだけでなんだか価値があるもののように思えますが、豆それぞれの質が高くなければ、混ぜて良いものを作ることは難しいですし、味をきちんととらえきれていなければ、クオリティが高いものにはなりません」と能城さん。
なるほど、ブレンドならば美味しいとは限らないんですね。
コーヒーの魅力をもっと知るには?
コーヒーをもっと楽しむためには、どのようなことを知っておいたら良いのでしょうか。
「コーヒーの魅力につながるところですが、『テロワール(Terroir)※』を知ることが大事だと思います。どこの土地で、どういった環境で育ったかによって、コーヒー豆のキャラクターが形成されます。そのキャラクターを存分に感じて楽しんでほしいです」と能城さんは言います。
※テロワール・・・「場所」「気候」「土壌」など、作物が育つ自然環境の特徴のこと
ワインについて語る時、「テロワール」という言葉を耳にしたことのある方は多いでしょう。ワインの原料であるブドウもコーヒー豆も同じく自然の中で育まれてくるもの。土壌や気候などの自然環境、あるいはバックグラウンドともいえる「テロワール」がポイントになることは共通なんですね。
最後に、コーヒー文化にほんの少し触れたあなたに、朝の一杯にふさわしいコーヒーをご紹介します。
アーモンドやブラウンシュガーのような甘さが感じられる、やさしい口当たりのコーヒーです。ほんのりアップルのような酸味もあって爽やか。
「ラ・コンチャ? 聞き慣れないコーヒーの名前だな」と思われた方がほとんどでしょう。実は、ラ・コンチャというのはコーヒー農園の名前、こちらはシングルオリジンのコーヒーなんです。「シングルオリジンって何だろう?」と思われた方、ご安心ください。このお話は、次回、詳しく伺っていきます。
コーヒーでひと息ついて心をほぐして、もっと素敵な一日に!
See you next time.
【取材協力】
■NOZY COFFEE
住所/東京都世田谷区下馬2-29-7
TEL/03-5787-8748
営業時間/11時~18時、休日:9時~18時
定休日/無休
アクセス/東急田園都市線「三軒茶屋」駅・「池尻大橋」駅から徒歩15分
-おわり-
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